昭和医学会雑誌
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尿路結石破砕
斉藤 豊彦
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キーワード: 尿路結石
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1997 年 57 巻 2 号 p. 97-107

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抄録

近年, 尿路結石患者に対する治療は開腹手術にかわりPNL (percutaneous nephrolithotripsy) , TUL (transurethral ureterolithotripsy) , ESWL (extracorporeal shock wave lithotripsy) などの非観血的療法が確立されてきた.特にその中でもESWLが結石治療を全く新しい概念による治療法に変えてしまった.1990年4月から1996年3月までの6年間, 昭和大学泌尿器科外来を受診した腎・尿管結石患者567例に対し西ドイッ・ドルニエ社製第二世代結石破砕機器MPL9000を用い治療を施行した.567例623結石, 833回の治療につきその有用性, 安全性, 問題点などにつき検討したところ567人の患者動態では男女比が2.3: 1, 年齢分布は男女とも40-50歳代にピークを示した.治療成績では破砕率92.0%, 完全排石率82.8%でEchosystemでの破砕がX-raysystemよりも優れていた.治療回数および衝撃波発数は当機器に関しては結石成分よりむしろ結石の体積が関与しているように思われた, また今回の治療においては重篤な副作用は認められず安全かつ有用な治療法であることが示唆された.

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