昭和医学会雑誌
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日本版MMPIの臨床的意義の再検討
木南 豊
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キーワード: 自己概念, 自殺念慮
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1998 年 58 巻 2 号 p. 181-194

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抄録
診断の指標として開発されてきたMMPIは, その原版においても, 弁別率は中程度であり, 現在はむしろ, 患者の心理特性の臨床記述のッールとして使われている.近年, 日本版MMPIが改訳され, 新たに標準化されたが, 精神科患者を対象とした研究はおこなわれていない.精神科患者216名 (女性117名) と対照群87名 (女性48名) に, 新日本版MMPIを実施し, 患者のプロフィールパタン, 各妥当性・基礎臨床尺度, 及び各項目の疾病ごとの出現率および患者の特性との関連を検討した.患者の全体的特性を表すプロフィールパタン (Gull wing, Conversion Vなど) と部分的特性を表す特殊項目 (Graysonの危機項目, 希死念慮項目, 家庭・家族問題項目) に精神科治療上の弁別的情報がみいだされた.
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