昭和医学会雑誌
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大腿骨頚部外側骨折の治療経験
―Captured Hip Screw施行例の早期荷重による臨床成績とX線学的検討―
江成 勝権藤 宏逸見 範幸斉藤 進
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1999 年 59 巻 3 号 p. 318-322

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抄録
Captured Hip Screw (以下CHS) 施行例の, 荷重時期による臨床成績とX線学的変化を検討し, 早期荷重の是非について報告する.CHSを施行した65歳以上の大腿骨頚部外側骨折26例 (男性5例, 女性21例) を対象とした.手術時年齢は65~92歳 (平均80.8歳) ・骨折型はEvans分類ではTypefgroup1が2例・group2が7例 (安定型9例) ・group3が3例・group4が10例・Type2が4例 (不安定型17例) であった.術後14日以内に全荷重にて歩行訓練を開始した11例 (安定型5例, 不安定型6例) をA-group, それ以降に全荷重を開始した15例 (安定型5例, 不安定型10例) をB-groupとし, 歩行能力, 入院期間, 骨折部の短縮, telescoping現象, 骨癒合時期, 合併症等について比較検討した.A-group1例, B-group7例に歩行能力の低下を認め, 10mm以上の骨折部の短縮はA-group4例, B-group4例に認められた.術後早期荷重は骨折部の短縮を認める症例もあるが, 歩行能力は維持されており, 高齢者の早期社会復帰に有用であると考えられる.
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