今回我々は前立腺癌患者末梢血からreverse transcription and polymerase chain reaction (RT-PCR) 法による前立腺特異抗原 (PSA) mRNAの検出を行い, 前立腺癌患者の転移の検索に有用であるかについての検討を行った.前立腺癌患者40例を対象とし, コントロールとして前立腺肥大症22例, 女性7例を用いた.前立腺癌Stage A1例からPSAmRNAは検出されず, 前立腺癌Satge B14例中1例 (7.1%) のみ, PSAmRNAが検出された.前立腺癌stage C10例すべてにPSAmRNAは検出されず, 前立腺癌stage D症例15例中13例 (86.7%) からPSAmRNAが検出された.前立腺肥大症22例中1例 (4.5%) からPSAmRNAが検出され, 女性7例は, 1例も検出されなかった.骨転移を認める15例中13例 (sensitivity86.7%) から血中PSAmRNAが検出され, 転移の存在しない25例中24例 (specificity96.0%) で陰性となり今後, 臨床的有用性が期待される結果を得た.