昭和医学会雑誌
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前立腺癌細胞株に対する22-oxa-calcitriol (OCT) の細胞増殖抑制効果におけるIGFBP-3とp27の役割
鈴木 康太小川 良雄川本 佳子直江 道夫石崎 良太郎吉田 英機
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キーワード: 前立腺癌
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2003 年 63 巻 3 号 p. 294-300

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抄録
1α, 25-dihydroxyvitamin D3 [1, 25 (OH) 2D3] はビタミンD3の中でも最も活性が高い代謝物で, ヒト前立腺癌細胞に対し抗腫瘍作用や分化誘導作用を示す.しかし, 強力な高カルシウム血症を引き起こすため臨床応用が制限される.そこで1, 25 (OH) 2D3の腫瘍増殖抑制作用を保ち, かつカルシウム上昇作用の低い様々なアナログが開発されてきた.その中の一つ22-oxa-calcitriol (OCT) はヒト前立腺癌細胞において分化誘導作用を示し, 動物モデルにおいて高カルシウム血症を引き起こさない.今回我々はOCTがヒト前立腺癌細胞の増殖を抑制することを示した.またフローサイトメトリーにてOCTが細胞周期をG1期に停止させることを示し, Western blot法あるいは定量的PCRにてOCTがinsulin like growth factor binding protein3 (IGFBP-3) とcyclin dependent kinase inhibitorの一つであるp27Kiplの発現を増加させることを示した.以上の結果よりOCTによるヒト前立腺癌細胞の増殖抑制作用に, IGFBP-3とp27Kiplが関与していることが示唆された.
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