抄録
Ki-67, p53, bcl2抗体を用いて免疫組織学的手法により, 前立腺癌の生物学的特性を評価し, 病理所見, 臨床経過との比較を行って, 前立腺癌の診断および予後の因子となり得るかを検討した。前立腺全摘除術を施行した前立腺癌50例を対象とし, 前立腺全摘術標本に対し, Ki-67, p53, bcl2に対する抗体を一次抗体として免疫染色を行った。Ki-67に関しては, Labeling index= (陽性細胞数/全細胞数×100) を求めて増殖能を評価した.p53, bcl-2に関しては5%以上の細胞に染色を認めた症例を陽性とした.Ki-67indexはリンパ節転移陽性例と陰性例とで, 有意差は認められなかったが, Non organ confined (被膜外浸潤 (+) ) 症例に有意に上昇し, またGleason scoreとの間にも相関が見られたことから, Ki-67抗体による増殖能の評価は前立腺癌の進行を予測する因子のひとつになり得ると考えられた.しかし, P53, bcl2においてはそれぞれ有意差が認められず, 早期癌の進展との関連を見出すことはできなかった.