昭和医学会雑誌
Online ISSN : 2185-0976
Print ISSN : 0037-4342
ISSN-L : 0037-4342
2ステップテストを用いた簡便な歩行能力推定法の開発
村永 信吾平野 清孝
著者情報
ジャーナル フリー

2003 年 63 巻 3 号 p. 301-308

詳細
抄録

本研究の目的は, 簡便に歩行能力を推定するために開発した2ステップテストと10m歩行速度, 6分間歩行距離, 日常生活自立度, さらに転倒リスクとの関係を求め, このテストの臨床応用への可能性について検討することである.対象は, 健常者108名, リハビリテーション通院患者108名, 合計216名であった.最大2歩幅を身長比で表した2ステップ値と10m歩行速度及び6分間歩行距離はそれぞれ強い正の相関を示した.また日常生活自立度との関係では, 2ステップ値の低下に伴い日常生活自立度も制限され, さらに転倒リスクも高くなることが分かった.
これらのことから2ステップテストは, 10m歩行速度や6分間歩行距離, 日常生活自立度, さらに転倒リスクなどを反映しており, 診察室や在宅といった測定空間に制限のある場所での簡便な歩行能力を推定に利用できると言える.

著者関連情報
© 昭和医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top