昭和医学会雑誌
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四肢再建に用いた前外側大腿穿通枝皮弁の使用経験
横山 才也草野 太郎三川 信之
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2004 年 64 巻 1 号 p. 120-125

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抄録
3症例に前外側大腿穿通枝皮弁 (Anterolateral thigh perforator flap以下ALT p flapと略する) を用い, 四肢再建を行った.症例1は34歳男性で, 右手背部に交通外傷による皮膚欠損を認めた.腱が露出し, 一部の腱が欠損していた.腱移植が必要とされ, 再建には薄いALTp flapが選択された。症例2は42歳男性で, 転落事故で脛骨腓骨遠位端を骨折し, 同部位の皮膚および軟部組織の欠損を認めた.観血的整復固定術後, 骨折部と骨固定用のプレートが露出し, 薄いALTp flapで再建した.症例3は37歳男性で, 右手背部に剥脱損傷に伴う皮膚欠損を認めた.ALTp flapを選択したが, 再建手術後の血流を考慮しFlow-Through型血管吻合を行った.3症例の皮弁は術直後の合併症もなく完全に生着した.術後6ケ月以上の経過観察中であるが, 皮弁および血行は良好である.薄 (層) 皮弁, Flow-Through型遊離皮弁として, ALTp flapは有用であったので報告した.
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