抄録
偽肉腫型食道癌肉腫の1例を経験したので報告する.症例は78歳, 男性.嚥下困難を主訴に来院.内視鏡検査で胸部食道に半周性の広基性隆起がみられ, 生検にて低分化型扁平上皮癌と診断され, 手術が施行された.手術は胸腔鏡下食道亜全摘術, リンパ節郭清, 胸骨後胃管再建が行われた.腫瘍の大半は非角化型の扁平上皮癌であったが, 間質内には紡錘形細胞・多核巨細胞よりなる多形性に富んだ間葉細胞の増生を伴っていた.これらの両成分は組織学的・免疫組織学的な移行を認めないことより, 食道癌肉腫 (偽肉腫) と診断された.術後18ケ月時右肺に食道癌肉腫 (癌腫部) の転移が認められた.