昭和医学会雑誌
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全身性エリテマトーデスにおける血清フラクタルカインについての解析
―特に中枢神経病変との関連について―
矢嶋 宣幸笠間 毅小田井 剛磯崎 健男松縄 瑞穂塩澤 史隆依田 欣之花岡 亮輔根岸 雅夫井出 宏嗣足立 満
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2005 年 65 巻 2 号 p. 174-183

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抄録
フラクタルカイン (FKN) は膜結合型FKN, 可溶性FKN (sFKN) の2種が存在するCX3C構造をもつ新規のケモカインである.sFKNが全身性エリテマトーデス (systemic lupus erythematosus; SLE) , 特にSLEの中枢神経病変の発症に関与しているとの仮説をたて下記について検討した.SLE患者, 関節リウマチ (RA) 患者, 健康成人における血清sFKNをELISAにて測定した.また末梢血単核球において特異的受容体であるCX3CR1発現を定量real time PCR, フローサイトメトリー (FACS) にて測定した.SLE患者の血清中sFKNはRA患者, 健常成人と比較して有意に増加しており, またSLEの活動性指標 (SLEDAI) , 臓器障害の程度 (damage index) , さらに血清中の活動性と相関するパラメーターと有意な相関を示した.中枢神経症状を合併したSLE (neuropsychiatric SLE: NPSLE) での髄液中sFKN値は中枢神経症状を伴わないSLE (nonNPSLE) 群と比し有意に高かった.FACS解析では活動性SLEにおいて末梢血単核球, とくにCD4およびCD8陽性T細胞でのFKNの特異的受容体であるCX3CR1発現増強が認められた.sFKNはSLEの活動性評価における新規の血清指標となりうることが示唆され, さらに中枢神経病変の診断にも有効と考えられた.
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