昭和医学会雑誌
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スキー・スノーボード外傷の最近の傾向 (第2報)
―スキーボード外傷と“エア外傷”について―
塩谷 英司栗山 節郎渡辺 幹彦星田 隆彦山本 茂樹石川 大樹宮岡 英世阪本 桂造雨宮 雷太田中 宏典
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2005 年 65 巻 5 号 p. 385-393

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抄録

当教室ではスキー・スノーボード外傷の特徴や, その予防について報告してきたが, 近年, 新たな動向がみられたので検討した.スキー外傷の発生機序は比較的画一的で, 最近はスキーボード (ショートスキー) の出現により, 下腿骨の螺旋骨折が急増した.一方, スノーボード外傷は競技種目が多彩で, 独持の滑走フォーム (サイドウェイ・スタンスで, 両足を同一平面上に固定していること) により, その発生機序も多岐に及ぶ.また, スノーボード外傷では中級者によるジャンプ着地失敗や, 初級者による緩斜面での『逆エッジ』による転倒が目立つ.ゲレンデにおけるスキー・スノーボード外傷による全体の受傷率減少を達成させるためには, いかにスノーボード外傷の受傷率, つまり, スノーボーダーにおける“エア (ジャンプ) 外傷”の受傷率を減少させるかが鍵である.

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