昭和医学会雑誌
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ゴールデンピース (ミャンマー産豆) による血流改善作用
ライン タイン佐藤 孝雄久光 正
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2006 年 66 巻 5 号 p. 349-355

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抄録
近年, 代替療法が普及し, 健康食品を使用することが流行になっている.その中で植物食品に含有されているフラボノイド (Flavonoid) については数多く研究がなされている.本研究ではミャンマー産のゆでたゴールデンピース (豆類) の血流改善作用について検討を加えた.ゴールデンピースはLegume Family (マメ科) 植物であり, フラボノイドが豊富に含まれている.本研究ではゴールデンピースだけを1か月間摂取させたラットと普通の餌を1か月間摂取させたラットの血液通過時間を, MC-FAN (Microchannel array flow analyzer) を用いて比較検討した.その結果, 通常の餌を摂取させた対照群に較べ, 統計的に有意にゴールデンピース摂取群の方に血液流動性の亢進が認められた.しかしこの血液流動性の亢進は抗凝固薬としてヘパリンを用いた場合にのみ認められ, 抗凝固薬として血小板凝集も抑制するEDTAを用いた場合には認められなかった.これらの結果からゴールデンピースは血小板凝集能を介して血液流動性を高めている可能性が示唆された.
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