昭和医学会雑誌
Online ISSN : 2185-0976
Print ISSN : 0037-4342
ISSN-L : 0037-4342
当院におけるSSI発症の原因と対策および効果の検討
井上 達史有馬 秀英相田 貞継横山 登清水 浩二熊谷 一秀
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 67 巻 4 号 p. 281-285

詳細
抄録
1999年にCenters for Disease Controland Prevention (CDC) のガイドラインにおいてSurgical Sight Infection (SSI) の概念が確立され, その予防策が徹底されるようになり, SSI発生率が5%を下回る施設の報告を目にするようになってきた.しかし, 当院におけるSSI発生率は全国平均と比してかなり高く, 主な原因は術中の清潔操作の破綻にあると考えられた.そこで, 術中腸内細菌の動向を分析し, それを参考に清潔操作を徹底させ, その後のSSI発生率の変化について検討した.方法は術中に切除部の腸管内に色素を投与, 視覚的にcontaminationを把握することにより医師およびコメディカルに清潔操作の教育と徹底に行い, その後サーベイランスを施行した.検討症例は863例で, SSI発生率はサーベイランス前17.1%に対し, サーベイランス後11.2%と有意な低下を認めた.これは術中清潔操作が破綻した症例 (Class III) の減少によりClassII症例の増加したこと, Class IIIにおけるSSI発生率の低下による結果と考えられた.しかし, 術中清潔操作の破綻やClassIIの症例におけるSSI発生がいまだ存在するため, 今後は術中清潔操作をさらに確立することや, 手術室だけでなく病院全体で更なる意識の改善と予防策の施行も必要であると考えられた.
著者関連情報
© 昭和医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top