昭和医学会雑誌
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肺原発lymphoepithelioma-like carcinomaの組織像を呈した1例
家泉 桂一増永 敦子光谷 俊幸桝田 幹郎鈴木 秀一鈴木 隆
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2008 年 68 巻 3 号 p. 199-203

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抄録
症例は73歳日本人男性に発生した肺癌.腫瘍組織は, ヘマトキシリン・エオジン染色切片上lymphoepithelioma-like carcinoma (LELC) であったが, 腫瘍細胞にEBVを証明できなかった.2004年分類以前に報告された欧米人のLELC症例では腫瘍細胞にEBVが証明されておらず, 本症例はこれら欧米人の症例と同じものである.さらに, 本症例では腫瘍浸潤リンパ球にEBVが証明された.現在までにLELCにおける腫瘍浸潤リンパ球にEBVが証明された肺原発の症例は無いが, 他の組織型では証明されている.また, LELC以外の組織型でもEBVが腫瘍細胞に証明された例が報告されており, LELCの形態形成にEBVは必要ないと考えた.従って本症例は組織形態上LELCに合致する症例と考えた.
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