抄録
高位頸髄損傷患者の人工呼吸器離脱アプローチに際し, 夜間呼吸時の呼吸状態や終日離脱の可能性を評価する方法に関して詳細に記された報告は見当たらない.今回, 人工呼吸器離脱目的で入院した高位頸髄損傷患者2名に対し, 睡眠ポリグラフィを用いた離脱評価を試みた.脳波による睡眠段階胸腹に装着したセンサーに基づく呼吸状態の観察などに重点を置いて実施した.各症例で横隔膜透視など日中施行される簡便かつ短時間に行われる検査のみでは得られなかった夜間離脱に関する有益な評価が得られた.睡眠ポリグラフィが夜間人工呼吸器離脱の評価として有用な方法と考えられた.