生体医工学
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先進的非臨床試験法開発と国際標準化、グローバル展開
岩﨑 清隆松橋 祐輝坪子 祐介朱 暁冬笠貫 宏梅津 光生
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2018 年 Annual56 巻 Abstract 号 p. S11

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抄録

先進的医療機器や有効な治療技術が適正な開発費で開発され、患者に迅速に届けられることが日本のみならず世界で期待されている。医療機器開発においては、期待される効果の評価と合わせ、患者適用時のリスクを抽出し、評価、低減していくことが重要となる。開発する医療機器の性能を最大化させ、リスクを低減するためには、患者の解剖や背景、使用法の影響を良く検討する必要がある。First inHuman 等の先進的治療機器であるほど、承認取得のための治験は、患者の症例選択、症例数、評価期間等の点で限定的にならざるを得ない。そこで、我々は、先進的医療機器の開発を迅速化し、また、世界に先駆けて日本の患者に届ける環境を創るために、安全性と有効性の評価、そして意思決定の根拠となる、これまでにない実臨床を踏まえた非臨床試験法の開発に挑戦し、全国の医療施設と未来の医療を創造する医工学研究に取り組んでいる。また、国内外の医療機器企業等とプロジェクトを推進し、市販前には、デバイスの開発、承認申請の根拠となる実臨床を踏まえた先進的非臨床評価、また、市販後には、明日の医療に役立つ効果的な使用法の提示や、課題の迅速究明、改良の迅速化に寄与する医工学研究を推進している。合わせて、先進的医療機器の評価指標に関わるガイダンスの策定や、JIS、そしてISO 規格策定にも取り組み、先進的非臨床評価のグローバル社会への実装を推進している。

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© 2018 社団法人日本生体医工学会
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