医療機関における安心・安全な電波利用の推進に向けた取組

抄録

近年、医療機関において電波を利用する機器の普及が拡大しているものの、医療機関における電波管理が適正になされていない場合には、医療機器等にトラブルが生じ、事故等につながることが危惧されている。そこで、総務省では、厚生労働省や電波環境協議会等の関係機関と連携を図り、安心・安全な電波利用環境を確保するための周知啓発活動等の取組を行っている。本講演では、医療分野における安心・安全な電波利用の推進に向けた取組等について紹介する。具体的な取組として、電波環境協議会 医療機関における電波利用推進部会（座長：加納隆 滋慶医療科学大学院大学教授）では、医用テレメータ、無線LANや携帯電話の利用に関するトラブル事例やその対応策についてまとめた「医療機関で安心・安全に電波を利用するための手引き」や、電波を安全に利用するための電波利用ルールのひな形を示した、医療機関における「電波の安全利用規程（例）」を作成し、周知啓発を推進している。また、地域に根ざした周知啓発活動を着実に展開するため、昨年９月に設立された11の地域協議会において、医療機関における電波利用のグッドプラクティスやヒヤリハット事例の収集、各地での説明会の開催等の取組が積極的に進められている。