生体医工学
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看護現場の医療情報システムの仕様の最適化と安全性管理
保坂 良資
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2019 年 Annual57 巻 Abstract 号 p. S11_1

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抄録

看護現場は医療の最前線である。患者安全を考えたとき、看護現場の状況を改善することが有効と考えられる。一方、看護現場には多くの情報システムが導入されている。これらの仕様の最適化や、新たな発想に基づく技術やシステムの投入で、患者の安全性を向上させることもできる。著者はこれまで、医用ワイヤレスシステムを中心に臨床現場の合理化を提案してきた。最近では、UHF帯RFIDなどの先進的な技術による臨床現場での個体認証を推奨している。ワイヤレスシステムでは周囲に電界を放射することが多く、生命維持装置との親和性が問題になることがある。現在のワイヤレスシステムの多くは、静的には安全である。しかし運用環境によってはホットスポットを生じ、安全性が阻害されることもある。広く普及しているバ-コ-ドは、ときとして作業者の業務負荷を増大させる。一次元バ-コ-ドでは投射光と反射光の衝突で認証効率が低下する。2次元シンボルでは合焦時間が問題となることもある。これらが合理的に改善されれば、看護現場の電磁的安全性が保証されたり、作業負荷が軽減され、全体的な患者安全がはかられよう。本研究ではこれらの概要をまとめたので示したい。

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© 2019 社団法人日本生体医工学会
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