2019 年 Annual57 巻 Abstract 号 p. S120_2
超高齢社会を迎え,歩行に不自由を抱えた高齢者が増加している.歩行補助杖は歩行の安定化に有効であることが知られているが,通常使われている一本杖(T字杖)は一点で荷重を支えるため,屋外の不整地では安定性が悪くかえって危険な状況を招いてしまう場合がある.接地性の向上を狙った多脚の杖も利用されているが,設置面が平らでない場合にはグラグラして安定に突くことができないという問題がある.そこで,本研究では磁気粘性流体を利用して支持脚の伸縮性を可変にし,地面の段差の吸収や接地バランスの制御の機能を備えた「ロボット杖」を開発した.本発表では,開発したロボット杖の構造や制御機能の説明に加え,通常の多脚杖との安定性などの比較を行った実験の結果について報告する.