2019 年 Annual57 巻 Abstract 号 p. S120_1
<はじめに>脳血管障害を有する患者さんに対するリハビリテーションは起居動作や歩行動作の獲得に焦点をあてたアプローチを実施されていることが多い.しかし、脳血管障害を有する患者さんは上肢の運動麻痺や視空間認知の障害を有することがある.これらの問題に対し脳ぽちを利用した上肢機能練習および視空間認知の評価が有効であるかどうか検討を行った.<対象> 対象は当施設利用中の脳血管障害を有する利用者2名とした.症例1は40台女性で上下肢の運動麻痺を有し上肢の痙縮による随意性低下が存在する利用者であった.症例2は80台女性で運動麻痺は見られず視野障害が存在する利用者であった.<方法>症例1に対し手と目の協調課題を行い上肢の随意性の変化を比較検討した.症例2は手と目の協調課題と周辺視による文字認識課題を行い視空間認知の評価を行った.<結果および考察>症例1は手と目の協調課題を実施する前に比べ実施後は上肢の随意性が向上した.症例2は中心視による空間認識は可能であったが左半側の周辺視は困難であった.脳ポチは脳血管障害を有する患者さんに対する上肢トレーニングや視空間認知の評価として有効であることが示唆された.