2019 年 Annual57 巻 Abstract 号 p. S14_2
近年、分子レベルで作用する微細な力を可視化・評価する試みが盛んに行われている。高分子化学の分野では、力により分子骨格を形成する共有結合を切断することで、吸収色や発光色が変化するメカノフォアと呼ばれる分子骨格が盛んに研究されている。しかし、共有結合を切断するためには、ある程度大きな力が必要となってしまい、生体応用には不向きである。そこで我々は、超分子化学の分野で長年研究されてきたインターロック分子の一つであるロタキサンの構造に着目し、超分子メカノルミノフォアを開発した。このロタキサン型超分子メカノルミノフォアを、共有結合を介してポリウレタンに導入すると、成型したポリウレタンフィルムが伸縮に応答し、蛍光を可逆的にON/OFFスイッチすることがわかった。