生体医工学
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細胞賦活化処理による多孔質性状チタン足場材の生体内癒合性の向上を狙う
関根 一光馬場 麻人浜田 賢一
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2019 年 Annual57 巻 Abstract 号 p. S75_2

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抄録

【緒言】チタン(Ti)の高い生体親和性を応用し,生体内で早期癒合性を示す多孔質性状かつ改質表面を備えた足場材料の開発をおこなっている。今回,この足場材料のガス代謝や体液浸潤の違いによる生体内癒合性について評価したので報告する。【方法】Tiマイクロ粒子をワックス樹脂と加熱混和し,そのまま成形したopened試料,Ti円板上に同じ厚みで成形したsemi-opened試料をそれぞれ成形し,焼結することで2種のTi多孔質体を得た。比較対象には同寸法のバルクTiを用意し,対照試料とした。それぞれ半数の試料は,水酸化処理を介したコラーゲン処理をおこない,改質表面処理試料とした。未処理および処理試料をEOG滅菌後,ラット背部筋層内に,ランダムに各群試料を同数,固定せずに背部に対して平面に配置して縫合した。埋入1週,2週,および4週後に垂直方向への引き抜き試験をおこなった。【まとめ】未処理のSemi-openedおよびopenedではそれぞれ約40kPa,約50kPaの引き抜き強度であった。処理群では,semi-openedおよびopenedでいずれも約90kPaであった。多孔質体構造と表面処理は相乗的に癒合促進するため,今後の応用が期待出来る。

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© 2019 社団法人日本生体医工学会
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