生体医工学
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均質な細胞塊を包埋したアルギン酸ゲルシートの作成
青山 千裕池内 真志
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2019 年 Annual57 巻 Abstract 号 p. S80_1

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抄録

アルギン酸で作られたゲルは栄養やガス交換は可能だが、免疫グロブリンのような高分子タンパク質は通さない性質を持つ。このゲルに細胞を包埋して移植すれば免疫反応からの隔離が可能だとされ、再生医療などの分野での技術開発が進められている。一方、細胞の凝集塊を形成させ三次元的な状態で培養する3D内容は、従来の平面培養よりも生体に近い状態の再現や高い細胞活性が得られる可能性が示唆されており、こちらも毒性試験や再生医療など多岐にわたる分野で注目されている。当研究室では様々な培養基材状に貼付するだけで、大量に均質な細胞塊を形成することができるデバイス "TASCL(Tapered Stencil for Cluster Culture)" の開発を行ってきた。本報では、様々な条件のアルギン酸ゲルでTASCLを作成し細胞塊の形成に成功した。また、アルギン酸製TASCL上で形成した細胞塊をTASCLごと、さらにアルギン酸ゲルで封止することにも成功し、均質な細胞塊を大量に包埋した移植用細胞塊シートを作成できることを示す。

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© 2019 社団法人日本生体医工学会
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