生体医工学
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目視による観察と記録はどこまで自動化できるか
瀬戸 僚馬天野 秀紀中野 遼太郎
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2019 年 Annual57 巻 Abstract 号 p. S8_2

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抄録

少子高齢社会への対応が進む中で、限られた人的資源による質の高いケアの確立は急務である。この観点から、看護現場においてとりわけ負荷が高い「観察とその記録」には抜本的改善が求められる。観察行為には、看護師の五感を活用した情報収集と、その収集した情報を形式知に変換し、さらに状態を判断する行為が多重に含まれているため、多大な労力を投じながらも、記録に至る段階では記載者によって多様性が見られるようになる。こうした課題を解決する観点から、観察の一部に機器を導入する動きが強まっている。バイタルサイン測定を電子カルテに反映するような現業務を支援する機器もあれば、エコーのように看護師には馴染みの薄かった機器も徐々に浸透してきている。人と機器にそれぞれ得手不得手があり、ケアの質と業務効率を勘案して、その棲み分けのバランスを考える必要性に迫られている。こうした問題意識をもとに、目視による観察と記録はどこまで自動化できるか考察したい。

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© 2019 社団法人日本生体医工学会
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