2019 年 Annual57 巻 Abstract 号 p. S9_1
日本は「2025年問題」に象徴されるように、少子高齢社会が抱える大きな課題に取り組まなければならない。この為、国は、住み慣れた地域で安心して質の高い医療サービスを受けながら生活していけるような社会を目指し、地域における医療機関等の間で必要な情報連携を進めていくことを重要視している。電子カルテ等ICT を活用したネットワークを構築することで、こうした情報連携を効果的に進め,地域における質の高い医療の提供に寄与する取組みを進めている。では、看護基礎教育の現場はどうであろうか。各種シミュレーターの開発により、看護技術に関しては臨床を想定しつつも患者と学生の安全を担保した教育が可能になってきた。しかし、 医療情報システムを看護業務に活用できるような実践的な教育はできているだろうか。患者にとって身近な存在である看護師が得る様々な情報は、患者ケアに重要である。今後、在宅医療が中心となると取得した情報を的確に多職種で共有していくことの必要性と重要性を今以上に考えていかなくてはならない。臨床における多職種連携だけでなく、教育における多職種連携により医療情報システム活用の実践的な教育ができること願う。