生体医工学
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超音波を用いた液化ガスボンベ内残液の有無判別の基礎的検討
佐藤 敦也廣瀬 稔塚尾 浩小川 貴康
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2019 年 Annual57 巻 Abstract 号 p. S95_2

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抄録

[背景・目的]医療現場で使用されている液化ガスボンベのガス残量は、重さを測定することで推定されている。しかし、医療機器に搭載されている場合、一時的に医療機器から取り外す作業が必要になる。本研究では超音波発生装置を用いて、ボンベ側面で超音波を送受信し残液の有無を判別するために基礎的研究を行なった。[方法]超音波発生装置、振動子、固形ゲルを用いてマンガン鋼製ボンベの音速を評価した。次に、ボンベの側面に送信素子、受信素子を180度対に設置し空の状態と水充填時の受信波を比較した。[結果]マンガン鋼製ボンベの音速は約2660m/sであった。水充填時では空の状態と比較して、位相が遅れた波形が得られた。[考察]鋼の音速と比較して、マンガン鋼の音速は約1/2であった。素子の当て方によってパルス波が変化し、観測点がずれたために実際の値より小さくなった可能性が示唆された。素子が液面より上ではボンベの周りを伝わる振動波のみだが、液面より下では液中を伝わる直進波が加わるため、受信波の位相が遅れたと考えられる。[結語]ボンベ側面で超音波を送受信することで残液の有無を判別できる可能性が示唆された。

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© 2019 社団法人日本生体医工学会
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