生体医工学
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重粒子線による新しい不整脈治療の可能性
山﨑 正俊
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2020 年 Annual58 巻 Abstract 号 p. 196

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抄録

ウサギ慢性心筋梗塞モデルに発生する致死性心室性不整脈である心室頻拍/心室細動が重粒子線(炭素線:15Gy)の単回体外照射によって抑制されることを以前報告したが、電気/構造学的リモデリングが進展した心房細動に対する効果は明らかになっていない。本研究では、加齢・高脂血症に伴う心房リモデリングを不整脈基質とするウサギ心房細動モデル(ARC)に発生する心房細動の維持メカニズムを解明し、同不整脈に対する重粒子線単回体外照射による抗不整脈作用を評価した。ARC 心臓をランゲンドルフ灌流し、高速ビデオカメラを用いて自然発生もしくは誘発した心房細動の興奮様式・活動電位波形を撮影した。ARC において発生した心房細動は渦巻き型旋回興奮によって維持されていた。単回重粒子線体外照射は、心房リモデリングを回復することで細動維持の駆動源を抑制する事が明らかになった。

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© 2020 社団法人日本生体医工学会
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