生体医工学
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FPGAに基づく脳波のパターン認識専用プロセッサの性能評価
塚原 彰彦安西 優貴田中 慶太内川 義則
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2020 年 Annual58 巻 Abstract 号 p. 315

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抄録

ブレインマシンインターフェース(BMI)は,脳波や脳磁図等の脳の信号からヒトの状態や意思を読み取り,電子機械装置の操作を可能にする技術である.これにより,筋萎縮性側索硬化症(ALS)等の手足の運動や言語機能に重篤な脳障害を持つ患者に対して,他者とリアルタイムな意思疎通を可能とする.BMI技術のさらなる発展には,脳波のパターン認識を高精度かつオンラインで実行する必要がある.脳波のパターン認識の手法の一つとして,機械学習や深層学習などが用いられる.しかしながら,これらの手法において,高い認識精度を求めると処理が複雑になり,計算量が膨大になるためオンラインでのリアルタイムな処理が困難となる.そこで我々は,リアルタイムに脳波のパターン認識を行うことを目的とした専用プロセッサの開発を行っている.1チップで実装できれば,高度なBMIデバイスの実現において有用であると考えられる.これまで,少ないパラメータで実装可能で脳波を対象とした深層学習として提案されているEEGNetに着目し,EEGNetに基づく推論処理専用プロセッサの設計および論理回路シミュレーションを行ってきた.本発表では,設計したプロセッサを再構成可能なLSIであるFPGA(Field-programmable gate array)に実装し,性能評価を行った結果として,1チップのFPGAに実装可能なプロセッサにおけるパターン認識の精度や実行時間などについて報告する.

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© 2020 社団法人日本生体医工学会
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