生体医工学
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複数測定面による心磁図を用いた電流源推定における空間フィルタ作製法
大野 裕哉岩井 守生孫 文旭小林 宏一郎
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2021 年 Annual59 巻 Abstract 号 p. 280

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抄録

心臓の電気的活動によって発生する磁界を非侵襲的に測定する方法として心磁図(MCG : Magnetocardiography)がある。心磁図による心臓活動の3次元的信号源推定は臨床応用に有用な技術である。現在、脳波や脳磁図を用いた脳活動の信号源推定手法には、最小ノルム法、ビームフォーマー法、LORETA法、eLORETA法など様々な空間フィルタ法が提案されている。しかしこれらの推定方法を心臓の信号源推定に応用した場合、同じ強度の信号源であっても深い信号源は浅い信号源よりも推定解が大きく広がる傾向にある。本研究では、心磁図を用いた心臓の電気的活動の推定として、推定信号源の局在化に優れたeLORETA法を用いた。我々は、信号源の深さによる推定解の広がりを抑制するため、複数測定面で計測したデータを用いて推定を行う手法を提案した。複数測定面で計測したデータを利用する2種類の空間フィルタ作製法を検討した。この結果、それぞれ異なる推定精度となり、提案方法により深い信号源の広がりを抑制できた。

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© 2021 社団法人日本生体医工学会
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