生体医工学
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2種類のAI異常検知カスケードを用いたFDG-PET/CT像上がん骨転移検出
山口 明乃根本 充貴甲斐田 勇人木村 裕一永岡 隆山田 誉大花岡 宏平北島 一宏槌谷 達也石井 一成
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2021 年 Annual59 巻 Abstract 号 p. 316

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抄録

【目的】より少ない誤検出(FP)数でFDG-PET/CT画像上の骨転移を検出するための,2種類の教師無しAI異常検知によるカスケード型画素分類に基づいた骨転移自動検出手法を提案する。【手法】初めに,それぞれの骨画素に対して正常骨画素データからのマハラノビス距離を用いた線形的な異常検知処理を適用し,異常なCT値とSUVの画素値を持つ骨画素を粗抽出する。次に、各骨転移粗抽出画素について、one-class support vector machine (OCSVM)を用いた非線形的な異常検知処理を施す。OCSVMは、画像輝度値曲面の曲率などの7つの局所テクスチャ特徴量を用いて骨転移に類する画像パターンを強調した画像を作成する。最後に、得られた骨転移パターン強調画像の極大点を転移病変候補として検出する。【結果】19の骨転移病変を含む画像10症例を用いた実験の結果、骨転移の検出感度89.5 %のとき、過検出数は59.5個/症例であった。提案法によるFP数は、OCSVMによる異常検知処理のみ用いた場合の骨転移検出結果より、93.9 %減少してした。【結論】この結果より、提案手法の有効性が確認された。

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© 2021 社団法人日本生体医工学会
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