生体医工学
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足部3D計測システムと足底圧分布計測による足部骨格の比較
山下 知子山下 和彦阿多 信吾
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2021 年 Annual59 巻 Abstract 号 p. 369

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抄録

安定した歩行機能の維持には足部の内側縦アーチの機能が重要であり,歩行機能の低下は転倒などの問題を引き起こすため対策が求められる.内側縦アーチの評価には,ノギスを用いた寸法計測,フットプリントを用いた研究が多くみられるが,一貫性のない結果が得られていることがわかっている.一方で,内側縦アーチの評価には足部の3次元骨格特性を把握することが重要であるが,足部の3次元骨格特性とフットプリントの関係について調べている研究は見られない.そこで本研究では,我々が開発をしている足部3D計測システムとフットプリントの関係を調べることを目的とした.対象者は中高年者403名(63.7±12.0歳,40~89歳)である.開発したシステムは,スマートフォンを用いて足部周囲を撮影し,足部の3次元再構成を行い,特徴量を抽出することで評価を行う.その結果,内側縦アーチに関連するフットプリント指標のCSI(Chippaux-Smirak Index)は,足部3D計測システムから導出される甲の厚みと舟状骨の高さとの相関は中等度であった.すなわち,フットプリントの指標では足部の骨格特性を十分に評価できないと考えられ,内側縦アーチの機能の評価には,足部の3D計測の指標を加えることが重要であることが明らかになった.

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© 2021 社団法人日本生体医工学会
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