臨床血液
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Symposium 7
CLEC-2/PDPN axisを介した細動脈近傍における骨髄巨核球造血微小環境
田村 彰吾井上 克枝尾崎 由基男早川 文彦小嶋 哲人
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2019 年 60 巻 7 号 p. 834-842

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抄録

骨髄(bone marrow, BM)は血球細胞の産生に特化した組織である。骨にパッキングされる骨髄は軟組織であるが,細胞外マトリックス,脈管系,そして種々の間質細胞によって複雑な3次元ネットワークが構成されている。間質細胞を含む骨髄間質要素は局所的な微小環境(microenvironment)を構成し,造血幹細胞を含む各種血球前駆細胞の分化・成熟を厳密にコントロールしている。近年,巨核球も分化・成熟・血小板産生について周囲の環境から制御を受けていることがわかってきた。本稿では,まず造血幹細胞ニッチの概略から骨髄微小環境について紹介する。その後,巨核球造血と骨髄微小環境の総論に触れ,最後に筆者らが近年発見・提唱したpodoplanin陽性細動脈周囲細胞による血小板・巨核球造血制御機構について概説していきたい。

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© 2019 一般社団法人 日本血液学会
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