2022 年 Annual60 巻 Abstract 号 p. 230_2
【目的】血液透析用ダブルルーメンカテーテル(DLC)使用時の脱血不良の原因としてへばりつきがある。へばりつき抑制のため近年、各社から独特な先端形状を有する新型DLCが発売されている。これまでに我々は、開発したへばりつき-再循環率同時評価システムを用い、新型DLCの1つであるパリンドロームプレジション(PD-DLC)の性能評価を行った。今回の報告では、圧センサ付ガイドワイヤーを用い、DLC内部の圧力分布を測定することで、新型DLCのPD-DLCやマハーカエリートカテーテル(MH-DLC)、パワートリアライシス(PT-DLC)の先端形状効果を明らかにすることを試みた。【方法】評価システムの模擬血管内にDLCを留置し、順接続時と逆接続時において模擬血管内流量50~700ml/minの範囲で1分間の模擬透析を行い、再循環率を求めた。次に、模擬血管内流量を700ml/minに設定し、DLC内に挿入したガイドワイヤーを移動させながらDLC内部の圧力分布を測定した。また、DLC先端におけるトレーサー粒子の動きを高速度カメラで撮影し、流れの可視化も試みた。【結果】新型DLCは逆接続時であっても再循環率は10%以下に抑えられていた。圧力分布測定と流れの可視化結果から、DLCの脱血は脱血孔の終端部分で主に行われていることが明らかとなり、逆接続時でも再循環率が低く抑えられている原因であることがわかった。