生体医工学
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3次元内視鏡を用いた診断・手術支援システム
吉本 佳世
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2022 年 Annual60 巻 Abstract 号 p. 70_2

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抄録

手術支援ロボット技術の発展により,低侵襲手術の適応範囲が広がってきている.低侵襲手術においては切開部が小さいために回復が早いという利点がある一方で,従来の開腹手術において使用できていた器具の挿入が難しいという問題がある.そこで,低侵襲手術やロボット支援下手術により行われる心臓手術の1つである僧帽弁形成術を対象に,画像処理技術の1つである拡張現実感(Augmented Reality : AR)技術を用いた手術支援システムを提案し,原理確認実験により有効性を検証した.従来,直接挿入していた計測器具の代わりに,ステレオ内視鏡画像を用いて取得した情報に基づき器具を仮想表示することでサイズ選定の支援を行うものであり,計測時間の短縮を可能とする.また,主に消化器内の観察用途でも内視鏡が用いられるが,内視鏡は視野が狭いため消化管全体の形状の把握や以前の診断結果との比較が困難である.ステレオ内視鏡により消化管内部を撮影したステレオ画像を用いて3次元情報を取得し,消化管を3次元的に展開することで,腫瘍や炎症の位置関係が把握しやすい画像の作成の試みについても紹介する.

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© 2022 社団法人日本生体医工学会
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