生体医工学
Online ISSN : 1881-4379
Print ISSN : 1347-443X
ISSN-L : 1347-443X
大学から研究所への転職で生じた医工連携テーマ創出の課題をこう乗り越えた
荒船 龍彦
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 Annual60 巻 Abstract 号 p. 87_1

詳細
抄録

学位取得後アカデミックポストに進んだ場合,博士論文の内容のテーマを中心にして自らの研究の主軸を設定する場合がほとんどと思われる.その博士論文テーマに関連した小さい研究テーマを複数立ち上げることはできるだろうが,逆に博士論文テーマ以外の研究分野や,全く異なる疾患対象領域などにテーマを増やしていくのは労力と時間を要し,一人でそれを創出するのはさらに困難であると思われる.筆者は学位取得後3年間大学に在籍し,その後,当時独立行政法人であった産業技術総合研究所のポストに着任した.学部生,大学院生を多く擁し,学生1人1人に研究テーマを持たせることで人数分のテーマを運用する大学教員と異なり,研究所所属の研究員は外研生として大学から学生を迎え入れない限り,1人でなるべく多くの研究テーマを同時に運用する必要があることから「1人で1研究室」と称されることもあり,また筆者が在籍していた研究グループにはまさにそういった研究者が数多く所属していた.研究所所属の研究者となって,急遽研究テーマを量産する必要が出た際に,どういったポイントを重視して,どのような外部人材との接触から効率的に新しい研究テーマを創出し,運用したのか,筆者の研究所所属4年間の間の取り組みを紹介し,今後医工連携,産学連携テーマを増やし,平行して複数を運用する必要にある若手研究者の参考になるノウハウとして共有する.

著者関連情報
© 2022 社団法人日本生体医工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top