生体医工学
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加速度計による米国糖尿病患者の身体活動量と活動パターンに関する解析
長尾 幸子岡田 法大杉谷 康雄
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2022 年 Annual60 巻 Proc 号 p. 347-349

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抄録

【目的】本研究は、加速度計データを解析することで糖尿病患者における身体活動量と身体活動パターンを理解することを目的とした。【手法】National Health and Nutrition Examination Survey (NHANES)の2013年から2014年の調査の参加者のうち、質問表の「今まで医師に糖尿病であると言われたことがある」の項目で「はい」、「いいえ」と回答した20歳以上の計3806人を対象とした。3軸加速度計ActiGraph GT3X+で測定され、MIMS単位に変換された7日間のデータのうち、日曜日の24時間のデータを用いて身体活動量を解析した。【結果】身体活動量として、1日のMIMSの合計で対象者を区分し、3806人を対象集団として年齢調整有病率比を計算すると、MIMSの合計が多い群では糖尿病有病率比が低かった。身体活動パターンとして、日内のMIMSの分布に対して階層的クラスタリングを行い対象者を区分すると、16時にMIMSのピークを示す群で糖尿病有病率比が低かった。糖尿病を目的変数としてロジスティック回帰を行ったところ、身体活動量と身体活動パターンの両方を説明変数に加えたモデルの曲線下面積は片方を加えたモデルよりも高く、BMIを説明変数に加えたモデルと同等だった。【総括】糖尿病患者に特有の身体活動量と活動パターンの組み合わせが存在する可能性がある。

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© 2022 社団法人日本生体医工学会
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