2023 年 Annual61 巻 Abstract 号 p. 107_1
医師の働き方改革の一環で、改正医療法が2024年4月から施行され「医師の時間外労働の規制」が適用開始される。その対応策として、医師の業務のうち他の職種に移管可能な業務について業務のタスクシフト/シェアを早急に進めるよう提言され、医療現場では人材不足や働き方の見直しへの対応が急務となっている。 こうした状況の中で、タスクシフトされる側である医師以外の医療関係職種でも、関連法の整備や業務の範囲拡大・明確化が進んでいる。そのため、各職能団体を通じて、拡大業務の講習や告示に基づく研修を行っている。しかし、従来の業務からかけ離れた手技も多く、指導者も不足しており、手技に対する習熟方法やサポートが今後の課題となっている。 また、現状のままでは、従来の業務負担が大きいにも関らず、更なる業務や責任を強いられる可能性が高い。これらを解決するために、医療現場での効率化やICT等の活用、医療クラークや看護補助等の一般職への更なる分業化をするための環境整備などの解決策を模索する必要がある。医療に関わる職種の業務が大きく変化する中で、アンメットニーズに答えた何らかの助力が得られれば、各医療関係職種の専門性の活用や地域の実情に応じた医療提供体制の確保に繋がり、質・安全が確保された医療を持続可能な形で提供していけるのではないだろうか。