生体医工学
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座面の硬さが立ち上がり動作に与える影響
小川 愛実尾嵜 光太
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2023 年 Annual61 巻 Abstract 号 p. 211_2

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抄録

 椅子をはじめとする周辺環境は立ち上がり動作の遂行に大きな影響を及ぼす。立ち上がり動作は日常生活で頻繁に行われている一方で難易度が高い動作であるとされ、リハビリテーションにおいても重要度が高く、患者一人ひとりに適した周辺環境の整備が必要である。既往研究では座面の高さや傾斜角度に関して多くの検討が行われているが、これらの知見は当該パラメタが可変である椅子への適用にとどまる。一方で、座面の硬さに関してはクッションを用いた調整が一般的であり、安価で手軽に導入することが可能である。しかしながら、立ち上がり動作を対象とした座面の硬さに関する研究は僅少である。 そこで本研究では、座面の硬さが立ち上がり動作に与える影響を力学的に評価し、立ち上がり動作の遂行に適した座面硬さを明らかにすることを目的とした。若齢健常者を対象とした計測実験を実施し、立ち上がり動作時の運動学的パラメタおよび動力学的パラメタを算出した。座面の硬さを変化させた際の立ち上がり動作計測結果から、座面の硬さによって変化があった動作パラメタの抽出および立ち上がり動作に適した座面硬さについて考察した。

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© 2023 社団法人日本生体医工学会
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