生体医工学
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spindle波検出における手動および自動判定間の精度比較
玉元 由果莉藤江 建朗中村 英夫
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2023 年 Annual61 巻 Abstract 号 p. 262_2

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抄録

本研究の目的は,睡眠段階判定の自動解析開発を目指し,時間周波数解析法の一種であるComplex Demodulation法(CDM)を用いて,睡眠時脳波の代表的波形であるspindle波と呼ばれる特徴波形の検出精度を評価することとする. 近年,予防医学や健康維持推進の観点より,「睡眠の質」の確保への関心が高まっている.現在,睡眠評価の標準法として睡眠ポリグラフ検査(PSG)が医療機関等で実施されている.PSGで得られた脳波や筋電図等の生体信号により,判定者が目視で睡眠段階を判断する.目視による判定は,時間と労力を費やし,主観的な判定による判定結果の個性差が問題となる.前述の問題の解決を目指し,睡眠段階の自動判定アルゴリズムに関する報告が増している.本研究では,自動判定を目指すための基礎データとして精度評価を実施する.10症例のPSG記録に対し,2名の目視判定とCDMでの特徴波形抽出結果を比較した .結果,CDMによる検出と2名の目視判定では,おおよそ一致しているという結果が得られた.2名の目視判定結果には個性差が見られ,手動検出の個性差が確認される結果となった.

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© 2023 社団法人日本生体医工学会
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