2024 年 Annual62 巻 Abstract 号 p. 100_1
本学は臨床工学技士を養成する専門学校であるため、ほぼすべての学生が臨床工学技士国家試験を受験して資格を取得し、医療機関に就職することを目指している。
機械工学は生体機能代行装置学等の臨床に直結する分野に比べると、臨床現場で生かせるイメージがつきにくい。将来に生かせる分野であることがイメージできないため、電気・電子工学分野と同様に苦手意識をもつ学生が多く、学習課題を先延ばしにする傾向が強いのが現状である。国家試験対策の学習期間に入ってから実施される模擬試験の結果からも、他の分野に比べて学習が進みにくい分野であることがわかる。機械工学の問題を解く中で、「単位はヒント」になることがあるものの、“単位”自体を苦手と感じる学生も多い。
このような現状において、機械工学を教育していく中では、まず語句の意味を説明するようにしている。専門的な用語に限らず、専門分野特有の独特な言い回しが理解を遠ざけることになりやすい。平易な言葉で語句の意味を説明することで多くの内容が理解しやすくなる。また、学ぶ内容と学生自身の実体験を結びつけることで理解しやすくなるため、イメージしやすいように工夫している。
これら臨床工学技士を養成する専門学校における機械工学教育の現状と問題点について述べる。