生体医工学
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胚培養⼠不⾜の解決に向けた顕微授精⽀援システム
青山 忠義
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2024 年 Annual62 巻 Abstract 号 p. 106_2

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抄録

この講演では、ヒトの活動空間をマイクロ世界へと拡張するマクロ・マイクロ・インタラクション技術とその生殖補助医療への応用展開について紹介します。まず、光学顕微鏡において広範囲・高解像度撮影の両立を可能としたマルチタスク型の撮像技術、単眼画像計測による細胞の実時間デプス推定技術、画像計測による実時間力推定技術等の基盤技術を統合した微細操作システムを解説します。続いて、能力接続技術を用いた微細操作支援AI robotについて解説します。能力接続技術では、胚培養士が獲得した能力を用いたデータ呈示により、顕微授精のために必要な技能獲得を目指す「初学者」へ胚培養士の能力を使用可能とするものです。最後に、没入型微細操作支援システムについて解説します。没入型微細操作支援システムは、操作者がマイクロ世界に没入し、自分が小さな世界に入り込んだような感覚で卵子や胚の操作を行うことを可能にするものです。これらの微細操作支援技術により、生殖補助医療におけるタスクの簡便化や顕微授精の技能獲得プロセスの簡約化が期待でき、胚培養士不足による地域格差の解消や、胚培養士の技能伝承に貢献できるものと考えています。

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© 2024 社団法人日本生体医工学会
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