生体医工学
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日常生活中の血糖値および心拍数変動の連続モニタリング
李 俐金子 美樹重松 大輝西中 芳幸譚 玉峰清野 健
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2024 年 Annual62 巻 Abstract 号 p. 216_2

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抄録

近年、ウェアラブルデバイスによる生体情報の長期計測やスマートフォンを使用した食事・運動の記録が健康管理に応用され、その有効性が期待されている。食後の血糖値の急激な上昇やピーク回数の増加は、糖尿病や心血管疾患のリスク要因となるため、日頃から日常生活における食事と血糖管理の重要性が認識されている。従来の研究は主に特定の食事内容と固定された摂取時間に焦点を当ててきたが、本研究は日常生活下での食事の影響による血糖値と心拍数の変化を評価した。健常成人(13人、年齢 45.31 ± 13.22歳、男性10人/女性3人)を対象に、日常生活下で腕時計型ウェアラブル心拍計・活動量計Fitbitおよび持続血糖測定器(アボット社製FreeStyleLibre)を用いて3週間(21日間)の調査を行った。日常生活中の食事、運動などの情報を記録するため、スマートフォンアプリ(IntaHealth)とクラウドデータベースを構築し、情報に収集に用いた。本報告では、血糖値が含まれる2週間のデータに基づき、13人の研究協力者から得られた1220回の主食の食事の時刻を基準に、食事前後の平均血糖値と平均心拍数の変化を検討した。食事前後で血糖値と心拍数は逆U字型の変化を示し、食事前の低い血糖値は食後約40分でピークに達し、その後2時間まで徐々に低下した。心拍数も、40分から60分の間にピークを示した。本研究では実世界のデータを用いて、食事の影響による血糖値と心拍数の変化を検討した。

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© 2024 社団法人日本生体医工学会
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