生体医工学
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呼吸性洞性不整脈の呼吸周期および姿勢依存性の評価
西 拓斗金子 美樹重松 大輝清野 健
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2024 年 Annual62 巻 Abstract 号 p. 223_1

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抄録

10秒周期のゆっくりとした呼吸「10秒呼吸」にはリラックス効果があるといわれており,心理カウンセリングや臨床の場面において取り入れられることがある.そのような8~12周期の呼吸は,副交感神経活動を賦活する可能性が示唆されているものの,その効果の程度については十分に検証されているとはいえず,生理学的機序についても十分に明らかになっていない.そこで,本研究では,リラックス効果を評価する前に,ゆっくりとした呼吸周期が心臓迷走神経に与える影響を評価した.これまで,呼吸周期と呼吸性洞性不整脈の関係は,座位において評価されてきた.それに対し,本研究では,ヘッドアップティルトテーブルの角度を変化させることで,呼吸周期と呼吸性洞性不整脈の関係がどのように変化するかを分析した.実験では,複数の姿勢において,呼吸数を2~30回/分に変化させ,心電図,呼吸気流量,および,脈波を同時計測した.その結果,どの計測姿勢においても約10秒の周期で呼吸をした際に心拍変動の振幅が大きくなることが確認された一方で,計測姿勢による振幅の大きさに顕著な違いは確認されなかった.本講演では,心拍変動に関連した自律神経バランスの変化と,呼吸周期の関係について議論する.

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© 2024 社団法人日本生体医工学会
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