2024 年 Annual62 巻 Abstract 号 p. 85_2
東北地方や能登地方での大地震などで経験したとおり、大規模災害時において被災地域は、人流・物流のみならず情報通信システムさえ麻痺するために完全な孤立を余儀なくされた。情報通信システムは、災害時の状況把握、救援・救護の緊急対応、最適化などにとって必須であり大いに期待されるインフラストラクチャ―であるが、現在日常において我々が享受している技術の延長で災害時も対応可能かは疑問な部分もある。特に診断や健康管理などの医療対応においてはより目的に特化されたシステムの構築が必要であると思われる。ここでは、日常の情報通信技術と医療・診断目的において必要とされる同技術の違いについて解説した上で、災害時に必要とされる情報通信技術について聴衆の方々とともに考察したい。