生体医工学
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大学人という素人からの医療機器開発の経験から―「最低の努力で最大も効果」を目指すまだまだ発展途上の話から ー
十河 基文山口 哲
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2024 年 Annual62 巻 Abstract 号 p. 93_2

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抄録

 1988年歯学部を卒業後、2001年「大学発ベンチャー1000社計画」、2002年「知的財産戦略大綱」が政府から出された。その波に乗る形で研究内容の特許出願を2002年に、大学発ベンチャーを2003年に起業した。

 創業期の初製品はコンピュータに関係する2つのアイテム。1つはCTデータからあごの骨の中に歯科用インプラントを埋えるコンピュータ・シミュレーションのソフトウェア。もう1つは、シミュレーション通りに手術が出来るようにコンピュータのモノづくり(いわゆるCAD/CAM)による“あて木“の「ガイド」作製。当時はSaMDもなく、ガイドも前例がないため悩まされた。

 創業後20年が経った今、第2創業的な製品の1つに認証品をスマホアプリで代替する研究を行っている。認証品は演者が大学を卒業する前から存在する装置で、研究用からいつ承認品にさらには認証品になったかわからないが、下あごの運動を計測する装置(一般的名称:歯科用下顎運動測定器)である。薬事のハードルを出来るだけ低くしたく、約1年半の間、第三者認証機関/Pmda/厚労省を行ったり来たりして、ようやく2023年初めにプログラム医療機器としての方針が確定。昨年は別件で時間が取れていなかったが遅ればせながら再開。

 講演では、令和のアカデミアに自身の座右の銘の「最低の努力で最大も効果」を出してもらえるように、少しでも何かをお伝えできればと思う。

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© 2024 社団法人日本生体医工学会
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