抄録
処分場長寿命化や不法投棄原状回復等の処分場再生事業では、処理対象となる廃棄物の性状を詳細に調査する必要がある。特に、紙やプラスティック類等、焼却等により減容化が可能な廃棄物の量や分布を正確に把握することが必須であるが、これまでは、多くのボーリング調査により試料を採取し、篩い分け等による組成分析を実施する以外に効果的な方法がなく、調査期間が長期化し、多額の調査費用が必要であった。また、プラスティック類や布類を多く含む廃棄物地盤ではサンプリングチューブの刃に廃棄物が巻きつき、切り進むことが出来ず、土と同様なボーリングコアを採取し、層構成の把握や組成分析を実施することが極めて困難であった。そこで、本研究では廃棄物地盤に特化した迅速かつ簡易な調査手法の確立を目指して、既存の地盤調査・物理探査を廃棄物地盤へ適用し、その結果について検証した。本稿はここで得られた知見について報告するものである。