抄録
近年,廃棄物最終処分場に被覆設備(屋根)を備えたクローズ型処分場が全国的に広がってきている。クローズ型処分場は,閉鎖空間を有することで従来のオープン型処分場には見られない数々の優位性を持っており,このことがクローズ型処分場の建設実績拡大の要因として考えられる。しかしその埋立ピットは,決められた有効面積に最大限の埋立量を確保するため,年々,高い壁高で,かつ,その法面も垂直に近い急勾配を有するようになってきている。このことから従来の遮水工では施工が困難になってきている。このような背景下,クローズ型処分場の築堤工法として多く採用されている補強土壁工法をベースとし,築堤工と遮水工を順次繰り返し施工することを想定した新しい高機能土構造物構築方法を室内試験および現場実証実験により研究・開発する。