抄録
建築物の解体等に伴い大量の廃石膏ボードが排出されるが,そのほとんどが埋め立て処分されている。今後も廃石膏ボード量は増大すると推測され,石膏ボードのリサイクルが求められるようになってきている。
そこで,廃石膏を使用して実排水の硝化汚泥脱水ろ液からのリン酸カルシウム化合物回収について検討した。
pHにより反応速度が異なり,pH9以上のアルカリでリンの除去速度が上昇することがわかった。反応生成物の同定を行い,pH8の場合,リン酸水素カルシウムのピークとほぼ一致した。pH9および10の場合,ヒドロキシアパタイトも生成していることが示唆された。