抄録
東日本大震災による福島第一原子力発電所事故により、さまざまな場所で放射性セシウムが検出された。発電所より大気中へ放出された Cs は福島県を中心に広範囲に拡散し,汚染された雨水の処理や土壌の除染が緊急の課題となっている。現在、懸念されているのはセシウム(137Cs, 134Cs)による放射能が主であり,放射性 Cs の分離・除去用の吸着剤が重要な役割を担っている。そこで、本研究では、植物中に豊富に含まれる高分子であるリグニンを原料としてリグニン誘導体を製造し、その吸着特性を用いてセシウム吸着の検討を行い、セシウム吸着に優れたり新規吸着材を検索することを目的とした。