抄録
福島原発事故のために放出された放射性物質により汚染された土壌や海水、災害廃棄物などの除染が問題となっている。放射性セシウム濃度が8,000Bq/kg以下であれば、一般廃棄物最終処分場に埋立可能である。そのため焼却残渣からのセシウム溶出特性を把握し、より効率的にセシウムを回収することができれば、一般廃棄物として埋立可能となり、効果的に除染を行える。本研究では、放射性セシウムに汚染された災害廃棄物の焼却により発生する焼却残渣の減容化および除染の高効率化を目的とした。放射性セシウムを含んだ飛灰(6431Bq/kg)を対象に、大型遠心分離機を用いたセシウムの溶出特性の調査、溶出量試験(JIS K 0058-1)との比較、実験結果の妥当性の検討を行った。結果、溶出量試験に比べて遠心分離試験の方が高濃度のセシウム含有溶液を抽出できることが示唆された。また、今回の実験結果の妥当性を示すことができた。